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(進路·学習)相談室$21 〜受験まであと1年、何から始めれば良いですか②〜

今回は、学習方法について考えてみたいと思います。みなさんは、日々どのように勉強していますか?定期テスト直前に詰め込む暗記中心の学習をしている人が多いのではないでしょうか。その学習方法では定期テストでは結果が良くても、1ヶ月もすると記憶に残っていないため、実力テストでは良くない結果が出ていることはありませんか。さらに定期テストと同じレベルの問題が出ているにも関わらず、「自分は応用力がない」と勝手に思い込んでいませんか?小・中学生の頃は、暗記することが得意な年代です。また、学習内容も複雑ではないため暗記中心の学習で上手くいく人はたくさんいます。ですが、高校生からオトナになると、暗記よりも知識を繋げる事が得意になり、学習内容も複雑になってきます。入試は「忘れることとの闘い」です。このことを理解して学習方法を改善していかなければなりません。この時期に行う学習としては、定期テストの解き直しを勧めています。忘れていることを思い出すには、量・質とも最適の教材です。先生にテストのプリントをお願いしてみてはどうですか?

改善する上で気をつけることは、「努力を重ねれば必ず良い結果が出る」とか「成長しなければいけない」と思い込みすぎないことです。努力を重ねても上手くいかないことや成長できないことはたくさんあります。結果を反省したり落ち込むよりも、上手くいかないときに「なぜ」「どうして」と原因・責任追及だけで終わらず、未来に向かって改善の行動を起こす思考習慣を身につけることが大切です。そして、自分で解決できること、解決できないことを区別して考え、自分で解決できないことは、積極的に他人に相談や質問をするべきです。最初は億劫かもしれませんが、他者を頼ることは悪いことではないし、自分の殻を破るためには必要なことと考えましょう。

最後は自分で決断を下さねばなりませんが、自分で考え、判断し、決定し、行動する自律した人になることを目指して欲しいものです。悩みを本当に解決できるのは、自分だけです。行動を起こして試行錯誤する経験は必ず自分の財産になります。「この学習、この教材、この先生、この方法」をやれば必ず成績が上がるという『魔法』はありません。ですが、自分にとっての最善の学習方法は存在すると私は信じています。モノの「見方・考え方・捉え方」を柔軟にする習慣を作り、受験まで1年を切ったこの時期に『一歩踏み出す勇気』を持って行動を起こしてみませんか!1年後に大きく成長した自分に会えるはずです。

 健闘を祈ります!
 ”思いは叶う“

(進路·学習)相談室$20 〜受験まであと1年、何から始めれば良いですか①〜

高校2年生です。先輩たちが卒業し、いよいよ自分たちも入試を意識するようになりました。入試の準備は、いったい何から始めれば良いですか?
(回答)
先輩たちが受験を終え、そろそろ自分たちの番になって焦りを感じている高校2年生は多いと思います。この時期に、気にして欲しいこと、始めて欲しいことをまとめてみたいと思います。
まず、自分の事を理解しておきましょう。
 ①進路志望について
 ②生活リズムについて
 ③成績について
①進路志望についてです。
みなさん大学に進学する目的や目指す理由がありますか?決して、職業や資格と繋げる必要はありません。自分の好きなこと、やりたいことがある、志望する大学がある場所に住みたい、なら目的があると言えます。また、医師になり訪問医療に携わりたいとか、建築士の資格を取り、公共建築物の設計に携わりたい等、具体的なことを思っていますか?目的を何も持たずにいることは良いとは思いません。誰かに薦められたから目指すのではなく、自分の心の中に目指す目的があれば良いのです。まだ無くても焦ることはありません。でも目的が見つかったときに手遅れにならないよう、今、目の前にあることから眼を背けずに取り組むことが大切です。
②生活リズムについてです。
コンディションを整えることを一番に考えましょう。起床、就寝、帰宅、学習開始の時刻を意識して、毎日大きく変わることのないような生活を心がけましょう。学習時間は人それぞれ事情が違いますが、3年生の受験期であれば、1週間合計で1500〜2000分を目安とすればよいと思います。この時間を達成するには、平日よりも休日の使い方が重要です。平日210分×5日、休日300分×2日で1650分になります。コンディションを整えるためにも睡眠・休息の時間をしっかり取った上で、無駄な時間を削減して時間を有効に使うことを考えましょう。
③成績についてです。
今の成績がどれくらいなのかも大切ですが、それよりも、1年生の初めから今までの3教科総合、英語、数学、国語それぞれの成績の動きを気にしましょう。上昇、下降、ガタガタ、変わらない…いろいろな傾向があると思います。ナゼそういう動きになるのかを考えてみましょう。コレといった結論は出ないかもしれませんが、自分のことを振り返ることが必要です。次に、志望校の目標偏差値や目標得点と自分との差がどれくらいあるかを理解しておきましょう。現時点で差があることは仕方のないことです。これからの積み重ねで差を縮めていく努力を進めれば良いだけです。まだ準備をする時間がまだ1年もあるのに、間に合いそうにないからといって志望校を変える人がいますが、努力したくない人の言い訳にすぎません。年内入試を考えるなら夏まで、一般入試なら共通テストまで頑張って、そこで判断しても遅くはありません。自分の可能性を追求したいならまずは、行動を起こすことです。

この時期に大切なことは、自分の状態を正しく理解することです。自分と向き合うことができている人は、困難なことが起きたとしても、粘り強く乗り越えることができるはずです。3年生になるまでに自分と向き合うことをお勧めします。

次回は、具体的な学習方法について考えてみたいと思います。

 健闘を祈ります!
 ”思いは叶う”

(進路·学習)相談室$18 〜共通テスト数学の勉強方法を教えてください〜

高校2年生です。いよいよ共通テストまで1年を切りました。これからどのように数学の学習を進めていけばよいか教えてください。
《回答》
新学習指導要領による初めての共通テストが終わりました。今後、どのようなことを意識して学習していけば良いかを考えてみたいと思います。

選択分野や試験時間の変更等はありましたが、過去4年間の出題傾向と大きく変わってはいません。全国平均点も55〜60点程度に安定してきたのではないでしょうか。ここ5年間の内容からセンター試験との違いは、①実生活の中にある数学を取り上げる。②会話形式等を用いて、他者の考え方を理解し利用する。③計算式と図·グラフとの関係性を理解する。等があります。
このような力をつけるためにどんな学習をすればよいのでしょうか。単純に問題演習をして、知識を詰め込むだけでは身に付きません。解き方を理解するのではなく、『授業』の中で、自分で考える習慣を持つ、要するに、つねに『思考力』を持つことが必要だと思います。与えられた課題をこなすだけでなく、自分で深く掘り下げることを目指しましょう。これは、以前からも言っていることですが、自分の腑に落ちる解答『完成答案』を作成することが深く掘り下げて物事を考える習慣づくりに役立つと思います。
また、本人の自覚も大切ですが、指導者側も分かりやすく説明するだけでなく、授業の質を上げることが要求されています。私も③は以前からよく取り扱っていましたが、①②に関しては現在改善中です。以前は別解を紹介し、自分の好みで解法を選択させたり、楽に解ける解法を勧めていましたが、今はどちらの解法も理解するような指導を心掛けています。自分が理解しにくい苦手な解法でも、他者の考え方を取り込む多様的なものの考え方が今の世の中で必要とされているのだと思います。数学だけにとどまらない『思考力』が問われているので、普段から考える習慣を身に付けていきましょう。対策が単純ではないので抽象的な内容になりましたが、丁寧に正しい学習をすることが一番の近道であると思います。
健闘を祈ります。
”思いは叶う”

(進路·学習)相談室$17 〜共通テスト後から国公立大学2次試験までの数学の勉強方法を教えてください

2月25日の2次試験まで、あと34日です。例年より1週間短い準備期間なので、上手く対応しなければなりません。授業の予習復習に取り組むことは当然ですが、今日から2週間のスタートダッシュが大切になります。まず、数学Ⅲの基礎基本を確実なものにしましょう。共通テスト前にあまり取り組めなかった人が多いと思います。微分の公式、積分の計算を忘れていないかチェックしましょう。次に教材です。初見の問題(過去問等)をたくさん解くよりも、今年取り組んだ問題をもう一度解くことをお薦めします。その方が準備の序盤に問題数をこなすことができるからです。例えば、授業で扱った問題集、教科書の例題や章末問題、定期テスト、記述模試等です。一度本気で考えた問題で、解答もあると思います。一度解いた問題と言っても、多くのことは覚えていないものです。解ければ定着している証拠となり自信になります。解けなければすぐに答えを見ても構いません。知識の穴が見つかって良かったと思うようになります。迷っている暇はありません。まず、スタートを切り、最初の2週間で基礎固めを行いましょう。
残りの3週間で、過去問にも取り組みましょう。受験校のものは3年程度は解いたほうが良いと思います。その際、出題分野の傾向は調べる必要はありますが、学習指導要領が変わった今年は、特に傾向が変わる可能性があることを頭においてください。むやみに出題分野のヤマをかけることは危険だと思います。また、過去問をさらに解きたい人は、受験校の過去問を20年分解く人もいますが、同レベルの他大学の問題を解いてみることをお薦めします。広島大学を受験するのであれば岡山、熊本、金沢、千葉。島根大学を受験するのであれば鳥取、山口、愛媛等です。類似問題が出題されていることは良く聞く話です。学習する教材の選び方は色々あるので、自分に合う教材を選べは良いと思います。それよりも自分で腑に落ちる解答をどれだけ多く持つことができるかが大切です。中途半端な理解の問題を増やしても自分の力にはなりません。時間がないと焦ってしまいますが、じっくりと時間をかけて取り組んで、多くの問題を自分のものにして欲しいと願っています。

健闘を祈ります
“思いは叶う”

(進路·学習)相談室$16 〜共通テスト後から国公立大学出願までの心構えを教えてください〜

新学習指導要領による初めての共通テストが終わりました。受験生の皆さん、お疲れ様でした。今日、自己採点をしたと思いますが、結果はどうだったでしょうか?この後、10日から2週間程度で出願校を決定しなければなりません。大きな人生の選択の1つです。浪人していない限り初めての経験なので、どのように過ごせばよいのか不安な人も多いと思います。注意すべき3つの点について説明します。
 ①情報は整理して有効に使いましょう。
 ②今から変えられることに集中しよう。
 ③最後は断固たる決意をして、自分の意志で決定しよう。
①情報は整理して有効に使いましょう。
 一昨日から色々な情報が散乱しています。いったいどの情報を信用すればよいのか分からなくなります。21日(火)までの情報は集計途中のため不確定な部分が多く、見る必要はありません。22日(水)の午後になれば正確な情報が次第に明らかになります。早いけど不確定な情報より正確な情報を基にして選択していきましょう。また、正確な情報(Bラインとかボーダーライン、倍率、合格最低点等)を得たとしても、50万の受験生すべてに公表されている情報だということを理解して下さい。同じ情報を見て受験生は動きます。情報の使い方を知らない人がむやみに利用すると策に溺れてしまうので注意しましょう。情報を利用する際は、経験豊富な人を頼った方が良いと思います。自分が信頼できる人に相談しましょう。
②今から変えられることに集中しよう。
 今から共通テストの得点を上乗せすることはできません。ですが、2次試験の得点はここからの努力で変えることができる部分です。得意科目や苦手ではない科目であれば伸ばせる可能性は高まります。経験上、共通テストの判定がA,B判定の人の30%は不合格になります。共通テストの判定がC,D判定の人の40%が合格しています。いったい何が起きているのでしょうか?A,B判定の人は共通テストの得点で逃げ切ろうとして安全な出願をし、2次対策をおろそかにしているのではないでしょうか。逆にC,D判定の人は、今からできる最善の準備をしているのではないでしょうか。この少しの気持ちの違いが結果に大きな影響を与えます。別に無謀な勝負を薦めているわけではありません。今からの取り組み方で変わる部分があることを理解して下さい。
③最後は断固たる決意をして、自分の意志で決定しよう。
 難しい人生の選択になります。10日から2週間近くじっくり考えるべきです。出願校を早く決めて2次試験対策に入ることも必要ですが、覚悟を決めることに時間をかけるほうが大切だと経験から感じています。覚悟を決めずに始めてしまうと、準備がうまくいかないときに迷いが生じ、逆に無駄な時間を費やしてしまいます。はやる気持ちを抑えて時間をかけて選択しましょう。今まで信念を持っていた人でも、この土壇場では気持ちが揺らぎます。揺らぐことは決して悪いことではありません。揺らいだ先の決断は、結果がどうなるかはわかりませんが、後悔のない正しい選択になると思っています。ぜひ、保護者、友人、先生いろいろな人と相談をしましょう。ですが最後の決断は自分で下さないと、上手くいかなかったときに他人のせいにしてしまいます。自分の人生は自分で切り拓いて欲しいと願っています。

健闘を祈ります
“思いは叶う”

(進路·学習)相談室$15 〜高校数学の復習の仕方を教えてください〜

高校1年生です。定期テストだけでなく、大学受験にも通用する数学の復習の仕方を教えて下さい。

《回答》

まずは、いつ復習すれば効果が高いのでしょう。最新の脳科学の研究によると、短期記憶を長期記憶にする復習の理想的なタイミングは、1回目は授業後24時間以内、2回目は1週間後、3回目は1ヶ月後と考えられているようです。

まずは授業を受けたその日に15分程度ノートをみることから始めましょう。それでも効果はあります。大切なのは2回目、3回目です。日にちを空けて行うことが効果的で、忘れそうな時に思い出そうとすることで記憶が強化されます。まずはできることから行動を起こす、そして継続することです。

次は復習の内容です。ここでは、数学について説明します。他教科については、同じ部分もあるとは思いますが、詳しくは専門の方に聞かれたほうが良いと思います。

基本的な計算はドリルが必要です。ただその際、その場しのぎの方法で行うと先々苦労します。できれば汎用性の高い正しい方法で取り組むことをお薦めします。その方法は学校や塾等の授業で説明されていると思いますが、それなのに自分で勝手に単純化して、簡単な問題にしか通用しない方法で解いていることが良くあるので注意しましょう。
重要例題〜入試問題は、「完成答案」を作ることをお薦めします。計算もすべて書き残し、カンや思い付きではなく、なぜそうするのか理由を明らかにしていきます。自分を誤魔化すことなく、模範解答ではない自分の腑に落ちる解答を作ります。手間暇はかかりますが、自分の力を着実に伸ばせる方法だと思います。自分の到達度に応じて問題は選択すればよいと思います。国公立の志望であれば、少なくとも教科書の重要例題や頻出の節末・章末問題は取り組みたいものです。定期テスト前にするのが理想ですが、無理な場合は長期休業中に行いましょう。
さらに詳しく復習するとすれば、「キーワード」を基にして分類してみることです。例えば、三角形の面積の公式7通り、垂直の考え方3通りの様に分野を超えたまとめ方が3年時には必要になってきます。
弱点補強をする場合は、教材の選び方が大切です。教科書や参考書、問題集をやり直すには、量が多く問題の精選が大変です。基本問題や、重要問題が程良くまとめられているのは定期テストです。一度本気で解いた問題で、バランスも良いはずです。先生にお願いして問題用紙をもらって取り組んでみてはどうでしょう。

100個の中途半端な知識より、30個の自分のものにした知識が深い学びになります。学習する際に、コスパ、タイパを意識しすぎることはお薦めしません。それよりも、自分が理解できる適切なスピードで学習することの方が大切と考えています。点数や理解度を他人と比較するよりも、自分に合う学びを追求する事に集中して復習を行いましょう。

健闘を祈ります!

”思いは叶う“

(進路·学習)相談室$14 〜高校数学はどのように勉強したらいいのですか?〜

高校1年生です。中学の時は数学が得意でしたが、高校になってから学校の課題や宿題はやっているのですが、理解できなくなりました。勉強の仕方を教えて下さい。

《回答》

まず、小中学生と高校生や大人では、脳の働き方に変化が起きていることを理解しておきましょう。

ざっくり言うと、小中学生の脳は無意味な丸暗記が得意ですが、高校生や大人の脳は丸暗記が苦手になります。その代わり知識をつなぎ合わせて記憶することが得意になります。また、高校生になると学習内容の量が多く複雑になるため、丸暗記では乗り切ることが難しくなります。ですから脳の特性を意識して、知識をつなぎ合わせて、脳内を整理しながら学習する方法に自分で工夫して変えていく必要があります。

また、多くの人がとっている学習習慣として、テスト前に集中的に勉強していると思います。このやり方では短期記憶にしかならないため、小中学生の時は通用しても、高校の学習には通用しなくなります。強固な長期記憶にするためには、断片的に記憶している知識をつなぐ必要があります。そのためにも、普段から適切な復習を行うべきです。

最近気になっていることは、成績上位の生徒でも理解が浅く、どの道具を使えば簡単に正解にたどり着けるのかを探しているだけで、わかり方がわかっていないと感じることが多くなりました。
例えば、釘を打つときに「金づち」を使うと上手く打てました。次の日、釘を抜くときにも「金づち」を使おうとします。便利な道具を利用しようとだけ考え、道具を使う状況を条件付きで理解していない感覚の学習になっているのではないでしょうか。

理解を深めるには、知識と知識のつながりを作り、問われている状況を理解した上で何を行うのかを学ばなければなりません。道具だけを手に入れるのではなく、状況と結びつける学びが必要です。フランシス・ベーコンは、『読むことは人を豊かにし、話すことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする』と言っています。中学生の時は、答えだけを求めれば良い場面が多いですが、高校になると解答を記述することが多くなります。もっと書くことによって可視化すれば頭の中が整理できます。そして思考する過程を大切にする考え方を身につければ理解を深めることができるのではないでしょうか。
次回は、復習の方法について詳しく説明しようと思います。

健闘を祈ります!

”思いは叶う“

(進路·学習)相談室$13 〜浪人したら間に合いますか?〜

高校2年生です。現在の成績では、第一志望に届きそうにありませんが、浪人してでも第一志望に行きたいと思っています。浪人したら間に合いますか?
《回答》

浪人すれば必ず上手くいくわけではありません。ですが、上手くいった人たちもたくさん見てきました。その人たちがどういう生活や行動をとり、どんな考え方であったかを紹介してみたいと思います。

まずは、高校在学中です。「現役では間に合いそうにないから、浪人すれば何とかなる」という考え方は甘いと思います。在学中に自分の力をできる限り伸ばす努力ができない人が、浪人したらできるようになるとは思えません。届きそうにないから今年はこれぐらいで…来年頑張ればいい…ではなく、目の前の課題に向き合い、少しでも自分を成長させることを目的にやろうとする姿勢が在学中から必要です。このような行動ができる人は、在学中も浪人時も自分の力を出し尽くした結果を持つことになるので、合否いずれの場合でも結果に納得できると思います。後悔のない選択をするためにも在学中からの取り組み、考え方が大切です。

次に、浪人してからです。在学中に上手く取り組めなかった人でも、生活·行動·学習方法·考え方をきちんと振り返り、悪い習慣を良い習慣に変えることができた人は、上手くいく可能性が高くなります。勉強時間が増えたからといって成績が簡単に伸びるわけではありません。そのときの自分にできる最善の準備に変えることができるかが大切です。上手くいった例を紹介すると、スマホを使う時間を制限することでムダな時間を減らし、睡眠や休息に換えた。起床·就寝の時刻や集中できる学習環境を整えた。暗記に頼らない深い学びにつながる学習に変えた。教材を1冊に絞り、徹底して行った…等です。人マネで終わらず自分で考え、工夫して取り組むことが大切です。

現実問題として、成績はどれくらい伸びるのでしょう?私が関わってきた生徒を基に考えてみます。5教科総合の3年時12月と浪人時12月の記述模試成績を比較してみると、伸びは+3〜15ポイントで、伸びの平均は+7〜8ポイント。共テ点数の伸びは+0〜150点で、伸びの平均は+80〜100点程度だと思って下さい。これ以上伸ばしたいのなら、更に努力や工夫が必要です。気をつけて欲しいのは、現役時に基礎基本が出来ていないと、浪人してからの伸びしろは、当然少なくなります。現役時にできる限り力を伸ばしておきましょう。

浪人には、当然ながら大きなリスクがあります。そして何の保証もありません。それでも目指したいのならやる価値はあります。浪人生が1年間を振り返ったときに、多くの生徒は合否に関わらず、「浪人して良かった」といいます。自分の力を出し切った達成感や、知る喜び、学ぶ楽しさを味わえたのだと思います。安易な気持ちで浪人を考えることは良くないと思いますが、先ずは在学中にできることをやり尽くして、なりうる最高の自分を目指しましょう。そうすれば、現役で合格するかもしれませんよ!

健闘を祈ります!

”思いは叶う“

(進路·学習)相談室$12 〜5教科(国公立)型より3教科(私立)型に絞った方が得ですか?〜

高校2年生です。5教科(国公立)型より3教科(私立)型に絞った方が得ですか?

《回答》
何をもって得とするのかは人それぞれ違いがあると思いますので、一概にどちらが得かどうかを判断することはできません。3教科に絞ったほうが集中して勉強できるので、楽に伸びが期待できると思いがちですが、世の中にそう考える人はたくさんいて、競争倍率は高くなることはよくある話です。逆に科目数が多いと大変なので敬遠する人も多く、倍率は低くなるため、そんなに学力が高くなくても粘ってうまくいく人もいます。というよりも、自分の大切な進路選択を「損得」や「苦楽」で決めて良いのでしょうか?

高校卒業の時点では、自分の将来が不透明で、確実なものは何もありません。目の前の選択に不安でいっぱいになるのも当たり前です。楽で上手くいく方法を探したくなるのも自然なことですが、高校卒業時の進路選択で人生が決まるわけではありません。(医師になれば、東大に行けば、といっても幸せになれるかは…?)少し視野を拡げて、長い目で自分の人生を考えても良いのではないでしょうか。

迷いが生じてなかなか決めきれないときは、「5教科·3教科」、「合格可能性」、「国立·私立」等の周辺環境の邪念をチョット脇に置いてみませんか?自分の原点に立ち返って、純粋に行きたいところに向けた努力を積み重ねてみてはどうでしょう。3年生の12月ならともかく、高校1·2年生の準備をする時間がまだたっぷりある時期に、自分の可能性を摘む必要はないと思います。(努力をする気がないのなら別ですが…)また、1·2年時と3年時では自分の考えが大きく変わります。1·2年時に決めるにしても、変わるリスクを理解しておく必要はあります。3年生の夏、12月、共テ後、そこまでやってから判断しても決して遅くはないと思います。自分の行きたいところ、やりたいこと、スキなことを目指すとき、人は一番頑張れるのではないでしょうか。リスクは何を選択しても必ず存在します。自分の人生を自分で選択するために、一歩踏み出す勇気をもつことが大切だと思います。

健闘を祈ります
”思いは叶う“

(進路·学習)相談室$11 〜指定校推薦と年内入試、一般入試、どの入試方式で受験するのが良いのですか

高校2年生です。指定校推薦と年内入試、一般入試のどの入試方式で受験するのが良いのですか?
《回答》

どの入試方式にもメリット·デメリットがあるので自分の特性を活かしながら自分で選択することが大切だと思います。入試方式に応じたメリット·デメリットを説明します。

指定校推薦は、比較的早期に決まるので、決定すれば安心感が得られることが最大のメリットです。また学校での成績や活動を元に選考されるため、普段からきちんと学校生活に取り組んでいる人には有利だと言えます。デメリットは 早期に決まることで、 成績の伸びの可能性や、進路選択の可能性を狭めてしまうことにつながることがあります。また、高校と大学の信頼関係で決定されるため、自分の実力で合格したという達成感は得にくいと思われます。
年内入試は、推薦型·総合型、いずれにしても 自分が今までに取り組んできた活動や経験等、学力ではない部分を活かすことができます。また、活動や経験がなかったとしてもその学部·学科に対しての思いをきちんと表現することができる人であればメリットがあると思います。大切なのは、「〇〇に参加した、△△で賞を取った」ではなく、その思いや経験を自分の言葉で語れることです。デメリットは早期に行われるため、出願しただけで合格した気分になったり、不合格の際のショックは大きく、精神的に不安定になることがあります。受験機会を増やすためにと言う人がいますが、一般入試でも合格可能性が高い学力を持っている人だけの話だと思って下さい。また、志望理由書·小論文·面接の準備は、想像以上に大変で、その間の学力の伸びは期待できないと思ったほうが良いと思います。私立大の推薦は、教科を絞って準備をするため、教科のバランスが崩れることに注意が必要です。
一般入試は、ガチの実力勝負です。準備をする時間は一番あります。自分が努力を積み重ねて、とことん可能性を追求できる入試です。上手く行けば何にも換えがたい大きい達成感を味わうことができるメリットはありますが、長期間不安が付きまとうデメリットは大きいです。
いずれの入試を受験するにしても、リスクは必ずあります。どの入試方法が楽で上手くいくのかを比較するのではありません。大切なことは、リスクを恐れて避けるのではなく、きちんとリスクを理解してどう覚悟を決めて立ち向かっていくのかを自分で選択することです。今後、進路や人生の選択の機会は何度も訪れますが、高校卒業時は将来の様々な選択の考え方にも影響を及ぼす重要な機会です。どの選択が正しいかは未来にならないとわかりません。そうです。『正解はありません』。ですから、どの途を選ぶにしても自分の人生は自分が責任をもって選択を行い、その途が正解となるように努力を重ねることが良いのではないかと思っています。

健闘を祈ります!

”思いは叶う“

(進路·学習)相談室$10 〜模試結果をどう利用すればいいですか?〜

高校3年生です。模試結果の利用の仕方がわかりません。どうすればよいですか。

《回答》
模試結果をみる際に、合格可能性を表すABC等の判定や、順位しか見ない人がいます。これでは、模試を受験する意味が半減します。模試の結果を学習方法や受験対策の改善、生活の見直しに有効に活用しましょう。注目·注意するポイントをまとめます。
①各教科の偏差値の変化を見ます。
②志望校の共テ目標点や記述目標偏差値と自分の成績の差がどのように推移している
 かを見ます。

偏差値は受験した模試における自分の位置を理解しやすい数値です。平均点の偏差値が50になります。偏差値60(40)は、上位(下位)15%程度、偏差値70(30)は、上位(下位)2%程度になります。

前回の模試(同じ業者)と比較して、差が縮まっているか、開いているのかを分析します。(学校全体の学力レベルが安定し、200人以上の生徒がいる場合は、全国偏差値より校内偏差値で見るほうが理解しやすくなります)模試の成績を単回で判定だけを見て、一喜一憂するのではありません。自分が準備したことで成果が上がっているかを偏差値の動きや目標値との差がどのように変化しているかを見て理解し、学習·生活の改善につなげます。

③M模試の自己採点後の分析は慎重に。

受験後すぐに行うので、偏差値どころか平均点すらわかりません。ですから自分の素点を見ただけでは、何も判断することができないはずです。ですが、みなさん”英語が下がったから頑張らないと“とか、”理科は順調に伸びている”とか言っていませんか?難易度が上がったから点数が下がり、簡単だから点数が伸びたのかもしれません。自己採点後すぐにできることは、自分の取った得点+10〜20点分の見直しぐらいです。正しい分析は、模試結果を返却されないとできません。慌てて判断するのではなく、誤った分析をしないようにしましょう。

その他、細かい情報が模試結果には載せてあります。細かい部分を分析するよりは、力をつけることに時間をかけたほうが良いと思います。上記①②をきちんと理解して対策を立てれば良いのではないでしょうか。

健闘を祈ります!

“思いは叶う”

(進路·学習)相談室$9 〜共通テストのスピード対策どうすればいい?〜

共通テストでは、スピードが大事と言われます。どういう勉強をすれば良いですか?

《回答》

共通テストは、センター試験と比べると、どの科目も文章量やページ数が確実に増えています。試験時間を少し伸ばしている科目もありますが、問題を読み、理解するスピードが無いと全てを解くことができないと思います。

ただ、だからといって速読等の訓練をする必要があるのかは私は疑問に思っています。人にはそれぞれ理解を深めるために適したスピードがあるはずです。速く理解する他人と比較して焦るのではなく、自分が理解できる最大のスピードで学びを進める事が大切です。速く読もうとすると、どうしても大切な部分を読み飛ばしたり、勘違いをしてしまうことが多くなります。ですから、先ずは速く読むことより、「しっかり読む」ことをお勧めします。「しっかり読む」とは、「整理して正しく理解しながら読む」と考えてもらえば良いと思います。

実際、速く読める人はどのように読んでいるのでしょう?先ずは、語彙力、公式·定石等の基礎·基本が頭に入っているので、読んだ瞬間に解答の方針が浮かんでいると思います。さらに、スピードは少し落とし気味で二度読みをせず、全体像を把握しながら読んでいるのではないでしょうか。その際、細かい部分は最低限のメモや、図示、図解化する等をしているのではないかと思います。

焦って速く読もうとして理解が追いつかず、ニ度読みすることになり、余計に時間がかかっている人もいるのではないでしょうか。焦らず、慌てず、ゆっくりと頭の中を整理しながら正しい思考を進めるべきと思います。

それでは、点数が伸びないと言われるかもしれませんが、取り組んだ問題の正答率を上げる方が得点が伸びると経験上思っています。

また、答えを出すのに時間がかかりそうな問題は、取り敢えず飛ばしておき、2周目で解答すべきだと思います。入試というのは、試験時間内にどれだけ高い点数が取れるかの勝負です。自分が持っている知識で時間内にわかる問題を最優先で解くことをお勧めします。模試を受験する際に意識しましょう。
(本来、学問を学ぶ際は、時間を気にしなくて良いのですが、致し方ありません…)

結局対策としては、先ずは基礎·基本を充実させることです。これ無しにはいくら練習してもスピードが上がることはありません。これは1·2年生の時からでも準備ができます。さらに、全体像を把握しながら、二度読みをせずに解く練習を重ねることです。読み方を変える訓練をすることで徐々にスピードを上げていけるのではないでしょうか。これは短期間で習得するのは難しいと思いますので、3年のM模試を受験するとき、早くから意識的に取り組むことが大切です。

健闘を祈ります!

“思いは叶う”

(進路・学習)相談室$8 〜弱点科目と得意科目どっちが優先?〜

高校2年生です。弱点科目の克服と得意科目を伸ばすことと、どちらを優先すべきですか?

《回答》

どちらか1つに選べと言われれば、私は得意科目を伸ばすことをすすめます。
ですが、
まだ2年生で時間があるようなので、どちらも優先すべきと思います。
ただ、
どちらも行うためには、どうしても時間が必要になります。生活のリズムを見直し、学習時間を増やす事を考えないといけません。増やさずにやろうとすると、どうしても得意科目の学習時間を削って、苦手科目に回すことになります。その結果、苦手科目はなかなか伸びず、得意科目まで下がることがあります。これでは弱点補強どころか武器もなくなり総合力も低下してしまいます。
得意科目は自分の最強の武器です。武器がなくなると勝負所で闘えません。絶対に手を抜いてはいけないことを意識してください。その上で弱点補強をすべきです。

弱点補強は、
苦手科目の場合が多いので、自分の思うように進まないことが予想されます。したがって長期にわたって計画的に行う必要があります。慌てず、焦らず、自分が理解しやすいスピードでゆっくり、学習することに重きを置きましょう。
また、時間がかかるとは思いますが、
理解を深めるためにも単純な丸暗記に終始せず、何故そうなるのか、知識を紡ぐ学習を行い、長期記憶になるような学びをして欲しいと思います。いずれにせよ短期間では済まないことを想定しましょう。
さらに、
目指す目標レベルをあまり高く設定し過ぎないようにしましょう。足りない部分は、得意科目を伸ばす事で充てる考え方のほうが無理なく取り組むことができると思います。

弱点補強には時間がかかります。受験間際ではなく、早めに取り組むことが重要です。できれば3年生の夏休み終了までには終わらせておきたいものです。

何に取り組めばよいかは、各科目で違うと思います。
数学であれば、教科書、参考書で行う方法もありますが、私は、過去の定期テストを利用することをお薦めしています。定期テストは、その範囲の基礎問題から応用問題までバランス良く作られています。みなさんのレベルに合った1番コンパクトにまとめられた最重要問題集になっていますので、弱点補強には最適です。是非、利用してみてください。

健闘を祈ります!

”思いは叶う“

(進路・学習)相談室$7 〜2次試験はどれくらい合否に影響を及ぼしますか?〜

国公立志望の高校3年生です。共通テストで目標点を超えれば、合格可能性高いですか?2次試験はどれくらい合否に影響を及ぼしますか?

《回答》
気持ち的には、どうしても共通テストの目標点を超えると安心します。しかし、国公立大の合否は、共通テストと2次試験の合計で決まるので、2次試験の内容(科目の有無、科目数)や2次学力レベル、共通テストと2次試験の配点比等によって、合格可能性は大きく変わります。2次試験がどれくらい影響を及ぼすか検証します。

【計算方法】
·偏差値1の差で100点満点で2点の差がつくと仮定する。(標準偏差が15〜20程度になることから)
·目標偏差値の2次力を持つ人が、2次配点の50%の得点を取ると仮定する。

志望大学A
 共通テスト配点 500
 2次試験   配点 500
 共テ   Bライン 400
 2次  目標偏差値    55

受験者O(合格の基準とします)
 共テ 得点   700 
 2次  偏差値   55
受験者P
 共テ 得点   720 
 2次  偏差値   50
受験者Q
 共テ 得点   680 
 2次  偏差値   58

受験者Oは、共テも2次力も目標に到達しています。
受験者Pは、共テは目標点を超えていますが、2次力が足りません。
受験者Qは、共テは目標点に達していませんが、2次力があります。

さて、受験者P,Qのどちらが合格するでしょう。
受験者O,受験者P,受験者Qの
共テ+2次の合計点数を比較してみます。 受験者O
  350+(250+(55-55)×2×5)=600
受験者P
  360+(250+(50-55)×2×5)=560
受験者Q
  340+(250+(58-55)×2×5)=620
受験者Qが合格、受験者Pが不合格の予想です。共テ配点が圧縮され、2次配点が高い場合は、2次力がかなり大きい影響を及ぼします。

志望大学B
 共通テスト配点  1000
 2次試験   配点 200
 共テ   Bライン 700
 2次  目標偏差値    55
   の場合はどうなるでしょう。

受験者O(合格の基準とします)
 共テ 得点   700 
 2次  偏差値   55
受験者P
 共テ 得点   720 
 2次  偏差値   50
受験者Q
 共テ 得点   680 
 2次  偏差値   58
受験者O
  700+(150+(55-55)×2×2)=850
受験者P
  720+(150+(50-55)×2×2)=850
受験者Q
  680+(150+(58-55)×2×2)=842
受験者Pが合格、受験者Qが不合格の予想です。2次配点が低い場合は、共テの点数の方が大きい影響を及ぼします。

以上のように、2次試験の結果は各大学の状況により影響の及ぼし方は違いますが、共通テスト同様に大切です。共通テストは『土俵に上がるまでの勝負』、2次試験は『土俵での勝負』と考えてください。受験校の情報をきちんと持った上で準備をする必要があることを理解してください。

健闘を祈ります!

“思いは叶う”

(進路・学習)相談室$6 〜入試まで100日を切りました。何をすればいいですか?〜

高校3年生です。共通テストまで100日を切りました。今から何をどうすればいいですか?

《回答》
入試まで100日を切ると、準備が間に合うだろうか、良い結果が出せるだろうかと不安や焦りを感じてきます。目標点や結果ばかり気にしてしまい、勉強に身が入らなくなる人も例年多くいます。自分の中でパニックを起こさないように冷静に行動することが大切です。考えてほしいことを幾つか上げてみます。

①コンディションに細心の注意を払う。

やらなければならないことがありすぎて、睡眠不足になる人が多いですが、おすすめできません。心と体が元気でないと頑張ることはできません。やらなければならないことをコンパクトにまとめて、無駄な時間を無くして休息、睡眠に充てた方がよいと思います。

②わからない未来を気にして不安になるより、目の前にある具体的にできることに目を向ける。

わからない未来を考えても何も結論は出ません。目の前にある課題を1つずつクリアしていくことに集中しましょう。計画通りに進まなくても、焦らず、慌てずできることを1つずつ取り組む事が大切です。計画通り進まないストレスをためるのではなく、少しでも進んでいる安心感を持つように意識しましょう。

③学習のバランスに気をつける。

弱点部分に目がいきがちですが、自分の得意科目をおろそかにすることは絶対に避けましょう。得意科目はいつまでも安定して取れるのではなく、取り組んだから取れているだけです。弱点補強は必要ですが、得意科目の手を抜くことなく行いましょう。バランスの原則は、各科目の共テ+2次の配点合計の比を基準にしましょう。

④焦点を絞った学習にする。

教科、科目を絞るのではなく、教材を絞りましょう。国語はこれ。数学はこれ。各科目1つあれば十分です。加えるのは、模試で自分の取った得点(+20点分)の見直しです。見直しも、もう少しで取れそうな部分に絞って取り組みましょう。

①〜④を意識して、残された日々を過ごしてもらいたいと思います。また、共通テスト後、二次試験に向けて1月以上準備できます。まだまだ先は長いので、力を伸ばす時間はまだあることを理解してほしいと思います。残りの日数が少ないから頑張る意味がないと考えるのは、やらない理由を探している人です。完璧にできなくてもできる限りの準備をして、試験に立ち向かってほしいと思います。

健闘を祈ります!

”思いは叶う“

(進路・学習)相談室$5 ~どうしたら成績上がりますか?~

自分なりに勉強を頑張っていると思いますが、成績がなかなか上がりません。どうしたらいいですか?

《回答》

小テストや定期テストの様に、限られた範囲であるなら短期間の勉強で成果が出ることはあります。しかし、模試等の実力テストレベルになると、簡単には上がらないことを理解しましょう。地道な努力を積み重ねている人でも、成果がでるのは早くて3ヶ月、遅ければ半年かかります。少なくともそれぐらいの期間は辛抱しながら努力を継続させることが必要です。小テストや定期テストでも結果が伴わない場合は、学習方法、学習量や生活リズム等に問題があるかもしれないので、検証する必要があります。

まず、学習方法を振り返ります。前提として理解しておいて欲しいことは、『誰でも成績が上がる学習方法は存在しない』ということです。本、SNS等巷でいろいろ美味しい情報が溢れていますが、そんな簡単に学力がつき、短期間で成績が伸びることはありません。ですが、『自分に合う成績が上がる学習方法は必ず存在します』自分で試行錯誤をしながら工夫を重ね、自分にあった方法を見つけ、作り出さなければなりません。

そのために
①自己分析をします

自分の状況(成績、生活)を客観的に分析し、現在の課題を理解します。長期目標を設定しても良いと思います。

②計画と短期目標を立てます

課題を克服するために何を改善する必要があるか考え、学習計画と短期的な目標を立てます。短期目標はチョット頑張れば届くけれど、怠けると届かなくなる目標を設定します。

③実行します

計画を実行しようとした結果を持つことです。何をして出た結果なのかを明らかにします。

④結果を評価·分析して改善します。

結果と短期目標の差を理解し、生活·学習計画や学習方法の微調整を行い改善します。

この①〜④のサイクルを繰り返します。1回で終わりではありません。繰り返し行う長〜い闘いです。自分に合う学習方法を見つけたと思っても、レベルが上がると対応できない、教科が変わると上手くいかないこともしばしばです。見つけるためには時間がかかることを覚悟してください。しかし、見つけた時は自信になるし、将来様々な場面で役に立つことは間違いありません。今、苦労してでも手に入れることが自分の成長に繋がります。頑張ってください。

健闘を祈ります!

“思いは叶う”

(進路・学習)相談室$4 〜進路選択どうすればいいですか?〜

高校1年生です。進路選択をどうしていいのか分かりません。理系のほうが幅広くて有利ですか?

《回答》

進路選択は、自分の人生や将来について本気で考えなくてはならない高校1年生における1番大切な仕事です。人生が決まるわけではありませんが、大きな方向性を決めることになります。何かを選ぶということは、裏を返せば何かをあきらめることになります。特にその点に注意をしましょう。

進路選択でまず考えることは、
自分がスキなこと、
興味があること、
ハマったこと、
今どきの言い方をすれば、
推しは何ですか?

職業や大学から選ぶ方法も、まず、自分がスキなことは何か考えましょう。進路決定をするのに順風満帆とはいかず、山あり谷ありです。スキなことを目指さないと乗り越えることが難しくなります。ただ、表面的なスキではありません。過去の自分を振り返って、自分の思いをほじくり出します。自分が本質的に何に興味を持っているか、スキな理由を自分で探究します。なりたい職業がある人は、「どんな〇〇になりたいか」、行きたい大学がある人は、「なぜその大学なのか」、「その大学で何をしたいのか」をしっかりと考えましょう。

私は、高校の数学教員になりましたが、小中学校時代は、ラジオのDJとして自分で番組を持つアナウンサーになりたいと思っていました。単なる憧れもありますが、自分の考えを自分の言葉で色々な人に伝えたい気持ちがあったのではないかと思います。職業は違いますが、根っこの部分でつながっているのではないでしょうか。このように、自分の根っこの部分を大切にして、自分と向き合って考えましょう。

ただ、今みなさんに突きつけられていることは『文理選択』です。本来、進路選択には、文系·理系の選択が必要なわけではありません。しかし、制度上〇〇学部に入学しないとなれない職業があったり、△系に行かないと受講できない科目があります。そのための文理選択です。ですから、根っこを大事にしながら、なるべく多くの可能性を残すことを考えて選択しなければなりません。ネットで調べたり、いろいろな人に相談することは必要ですが、結論を出してもらうのではなく、その情報を基にして、自分で決断の責任を持たなければなりません。有利·不利、得意·不得意、スキ·キライで安易に選択するのではなく、自分の気持ちに正直に向き合うことが大切です。

健闘を祈ります!

"思いは叶う"

(進路・学習)相談室$3 ~部活辞めたほうがいいですか?~

高校2年生です。運動部に所属しています。練習で疲れて寝てしまい、勉強時間をとることができません。このまま部活動を続けていいのでしょうか?

《回答》

部活動と勉強の両立は大変ですが、自分なりにいろいろな工夫をして乗り越えれば、それは一生の財産になります。ですからChallengeする価値は大いにあります。多くの場合は、スキだから入った部活動だと思うので、本心は辞めたくない気持ちが強いと思います。しかし、高校生活は長く厳しい3年間なので、迷い、悩むのも当然です。いずれを選択するにしても、やろうとする意思を持ち、自分で覚悟を決めて選択することが一番大切です。

両立するために一番優先すべきことは、勉強時間を確保することよりもコンディションを整えることです。どちらも頑張ろうとしすぎてオーバーワークになり、体調を崩したり、メンタルをやられたりすることもあります。まずは、生活のリズムを作り、安定したペースで走り切ることを考えましょう。

具体的に考えましょう。まずは、自分に適切な睡眠時間を理解します。7時間程度は必要な人が多いと思います。授業中に眠くなるようではいけません。睡眠時間を削るのではなく、無駄な時間を削ることを考えましょう。

次に平日の帰宅時刻と出発時刻を調べます。通常の平日、家に何時間いますか?20:00帰宅、8:00出発であれば、12時間です。睡眠時間を7時間とすると残りは5時間です。夕食、朝食、風呂、準備等で短くても2時間は必要です。自分の家での持ち時間は、残り3時間しかありません。このうち2時間勉強できれば、素晴らしいと思います。しっかり両立していると言えます。
ですが、時間が足りない場合はあると思うので、休日にカバーする、授業の受け方を工夫する等効率の良い方法を考えないといけません。時間の使い方が上手くなれば、将来いろんな場面で役に立ちます。

疲れて眠くなる場合は、夕食後に仮眠を1時間程度取る。22:00就寝、5:00起床の朝型にする。等の工夫が考えられます。習慣を変えるのに少なくとも3週間はかかることを覚悟してください。

部活動を辞めて上手くいく場合は、部活動に取られていた時間の70%程度を勉強時間に換えることができる人と思ってください。

いずれを選択するにしても、楽ではありません。強い意思を持ってChallengeしてみればよいのではないでしょうか。

健闘を祈ります!

"思いは叶う"

(進路・学習)相談室$2 ~志望校下げた方がいいですか?~

高校3年生です。7月時点で、第1志望の判定が『E』でした。
志望校を下げたほうがいいですか?

《回答》
まったく、変える必要はないと思います。考える時期は、国公立大なら共通テスト後の出願前、私立大なら日程の調整がつくのなら、受験すれば良いのではないでしょうか。

偏差値は、1年間で±10程度は変化します。7月に判定が悪くても、夏休みに頑張った人なら、今後変わる可能性が十分あります。ただ、成績は簡単には変わりません。しっかりとやり始めてから成果が出るまでに、少なくとも3ヶ月はかかることを頭においておきましょう。夏休みに上手く取り組めず、9月の学園祭明けからやり始めた人は、12月まで成果が出ないことを覚悟して辛抱しましょう。

志望を下げたからといって、学習内容や方法が大きく変わることはないと思います。志望校を下げることで、不安感を無くしたいのかもしれませんが、準備に残された日があるのなら、自分の可能性をつぶさず、はっきりとした結果(共通テスト)を見てから判断すれば良いと思います。共通テスト後は、出願校を早く決定して、2次対策に入りたいかもしれませんが、自分の人生を選択するときに、しっかり時間をかけて悩んだ人のほうが、覚悟が決まって残りの日を集中して取り組めているのが実態だと思います。

志望を変えるのは、準備があまりにも違いすぎる場合に限ると思います。
その場合であっても、単に合格可能性の高い低いで選択してほしくはありません。合格可能性は、選択の目安に過ぎず、50%で受験する人もいれば、怖くて受験しない人もいます。自分が何を目指しているのかをしっかり考えて、自分で選択してほしいと思います。

健闘を祈ります!

"思いは叶う"

(進路・学習)相談室$1 ~年内入試 受けた方がいいですか?~

国公立大を志望しています。
第一志望校の年内入試(総合型、学校推薦型)を
受験しようか迷っています。
どんなことを考えて検討すればよいですか?


検討するにはまず、
 ①一般入試の合格可能性
 ②年内入試の合格可能性 
     を理解する必要があります。
①について
一般的に、共通テスト得点は、90%の人が3年6月のM得点+100±50の範囲内におさまります。2次学力は+5の伸びが限界と考えておきましょう。今の自分の力と目標値の差を認識して、合格可能性を理解してください。50%を超えるか超えないか、10%程度なのかが分かれば十分です。

②について
志望理由がしっかりしているかが一番大切です。また、志望校の学問内容に合致する実績や経験がありますか?実績があっても面接、小論文で自分の意見や思いを具体的に述べることができなければうまくいきません。一般的な合格率は、地元の大学を除くと20〜30%が現実です。

③浪人してでも目指すのか?
第一志望へのこだわりがどれだけありますか。中途半端な気持ちで受験をするととんでもないことになります。覚悟は決めておかないといけません。

〇〇が薦めるから、単に早く決めたいから、という安易な受験は危険です。2回受験できるからチャンスが広がると思う人もいますが、①の可能性が50%を超えている人だけですよ。それと、志望理由書、小論文、面接の準備は想像以上に大変です。その間、学力の伸びはなかなか期待できないと考えてください。また、出願しただけで合格した気分になって緩んでしまう人もいます。逆に不合格になり、現実を理解してその後気合が入る人もいます。

以上のようなことを考えますが、いくら調べても確証を持つことはできません。また、いずれを選択しても楽はできません。その人次第です。

最終的には、様々なメリット、デメリット、リスクを理解した上で、自分で選択し、自分で決断を下すしかありません。

健闘を祈ります。

"思いは叶う"

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